最近CMでも話題の格安スマホ「UQモバイル」を皆さんご存知でしょうか。UQモバイルはauの電波を利用して格安でスマートフォンを契約できる格安スマホのキャリアとしては少し珍しい会社です。
一昔前はあまり注目されていなかったキャリアでしたが、現在CMの効果もあってか激しく巻き返しています。 今回はそんな注目の格安スマホ「UQモバイル」のメリットデメリットと他者からの乗り換えの注意点いついてご紹介します。
1,UQモバイルのメリット
1-1,月額料金が安くなる
「格安スマホ」という名前の通り、大手キャリアよりも月々の料金は安く抑えられます。同じ電波を使用している大手キャリアのauと比べるとその差は歴然です。
auでスマホを契約した場合とUQモバイルで契約内容が類似しているプラン同士の一年目の基本使用料をまとめると以下のようになります。 (利用できるパケット容量が全く同じものが無いため、7GBと6GBでの比較になります。)
au | UQモバイル | |
基本プラン名 | LTEプラン | ぴったりプラン(M) |
基本使用料 | 934円 | 2,980円 |
パケットプラン名 | LTEフラット | ※基本プランに含む |
パケット料金(容量) | 5,700円(7GB) | 0円(6GB) |
各種割引額 | 1,410円 | 0円 |
合計 | 5,965円 | 2,980円 |
見ていただけるとわかるようにUQモバイルはおよそ半額で契約できてしまうのです。 そして今回のプランの場合auの「LTEプラン」では1時から21時の間のau間の通話が無料になり、UQモバイルの「ぴったりプラン(M)」は月に120分の誰とでも電話可能な無料通話が付いています。
この条件を見てもどちらの方がお得か明らかですね。 これ以外にもUQモバイルのプランには、パケット容量が2GBと16GBのプランや「データ通信無制限」のプランなどがあり自分に合ったプランを選べるようになっています。
1-2,自分にあったデータ通信料を選択可能
UQモバイルでは自分に合ったプランで契約できるように代表的な3つのプランがあります。
プランS | プランM | プランL | |
月額料金 | 1,980円 | 2,980円 | 4,980円 |
データ容量 | 最大2GB | 最大6GB | 最大14GB |
使用できるデータ容量に応じて3つのプランに分けられています。こちらの3つのプランは次の章に書かれている「通話定額サービス」も付いた値段となっています。
「通話定額が必要ない」という方には、話した分だけ通話料のかかるプランも以下のように用意されています。
月額料金 | 通信量 | 通話料 | 最低利用期間 | |
データ高速プラン(通話なし) |
980円 |
3GB |
なし |
なし |
データ高速+音声通話プラン | 1,680円 | 3GB | 20円/30秒 | 12ヶ月 |
データ無制限プラン(通話なし) | 1,980円 | なし(500kbps) | なし | なし |
データ無制限+音声通話プラン | 2,680円 | 20円/30秒 | 12ヶ月 |
こちらのプランは通話料が使用した分だけ発生し、通信料は3GB・無制限からの選択となります。お試しでUQモバイルを利用したい方は、最低利用期間のない「通話なしプラン」を契約してみることをお勧めします。
1−3,選べる通話定額サービス
UQモバイルは最近通話定額のサービスを発表しました。「おしゃべりプラン」「ぴったりプラン」に2種類があり自分にあったプランを選んで契約することができます。
格安スマホの会社が続々と通話定額のプランを発表していますが、プランを2種類から選ぶことができる会社は少ないです。2つのプランの特徴は以下の通りです。
ぴったりプラン…
3つのプランの価格帯別に60分、120分、180分の無料通話がついてきて、他社の固定電話、携帯電話との国内通話が無料になるプラン。
おしゃべりプラン…
5分以内の国内通話が何度でも無料になるプランです。3つのプラン共に条件が同じですが、5分以内の通話が多い人にはお勧めです。
この2つのプランは上記の「プランS・M・L」の料金に組み込まれており、自分に合った方を選択して利用することができます。契約後もこのプランは変更できるため、自分に合わなくなったら切り替えるという使い方も可能です。
1-4,実店舗が多い
格安スマホは基本的に「インターネット上で契約する」というのが一般的でした。ですが近年は一般の店舗でも販売されるなど、幅広いユーザーが使い易い環境が整いつつあります。
そんな中でUQモバイルは群を抜いて実店舗数が多いです。UQモバイルを即日契約することができる実店舗は全国に2100店舗以上あります。(2017年3月31日現在)
冒頭でUQモバイルはauの電波を利用していると書きましたが、そのauも実店舗数は2500店舗程度です。ここに匹敵する店舗数があります。ですから「格安スマホを買いたいけどインターネットから自分で購入するのは不安」という方は、実店舗で販売員の方に相談しながら購入することができるため安心ですね。
1−5, iphoneを同時購入可能
UQモバイルでは様々な機種を契約時に選べるようになっており、その中にiPhone5s・SEも含まれています。格安スマホの会社としては非常に珍しく、iPhoneを同時契約できるのはUQモバイルとY!モバイルの2社となっています。
これまではiPhoneを購入したい場合は大手キャリアで契約するか、自分でSIMフリー端末を手にいれる必要がありましたが、そのハードルをグッと下げているのが、UQモバイルです。(それとY!モバイル)
1−6,auの端末がそのまま使える
「格安スマホが欲しいけど、今使っている機種まだ使えそうだし」という方いませんか。UQモバイルではauの電波を使用しているおかげで、現在auで契約したスマホを利用している方は、機種変更でUQモバイルに乗り換える際に現在の機種を継続して利用することができます。
au以外の機種でソフトバンクやドコモから販売された機種で「SIMフリー」の機種は一部利用できるようですが、基本的にUQモバイルが動作確認をしていない機種は利用できないと考えた方が良いと思います。 詳しくは「UQモバイル動作確認端末一覧」をご覧ください。
1−7,ターボ機能のオン・オフ
格安スマホで必須とも言えるこの「ターボ機能」。もちろんUQモバイルでも利用できます。この機能を利用すると高速通信が必要のない時には通信を低速にすることで、月に割り当てられている高速通信の容量を温存することができるサービスです。
いわば「高速通信の節約」といったところでしょうか。この機能を活用することで、月々より少ない通信量でやりくりすることも可能で、月額料金をさらに引き下げることも可能となります。
2,UQモバイルのデメリット
2−1,格安スマホには珍しい「2年契約」
格安スマホは基本的にいつ解約しても違約金が発生しないキャリアが非常に多いです。発生したとしても、通話simを契約している場合に一年以内に解約してしまった際に発生するキャリアがほとんどでした。
ですがUQモバイルの場合は、上記で紹介した「プランS、M、L」の場合は2年契約となります。(データ高速プランは例外です。)
そして契約から2年経過した26ヶ月目で解約を申し出なかった場合はこの2年契約が自動更新されてしまいます。このあたりの契約の複雑さは大手キャリアと似た部分があります。
2−2,割引サービスが多いため、注意が必要
他社の格安スマホは料金体系が非常にシンプルで、元の料金が安い代わりに割引サービスが少ないことが登頂ですが、UQモバイルは少し違います。先ほど紹介した「プランS、M、L」も割引が適応されてあちらの値段になっています。詳しくは下記を参照してください。
プランS | プランM | プランL | |
月額基本料金 | 3,980円 | 4,980円 | 6,980円 |
スマトク割(2年割) | ▲1,000円 | ▲1,000円 | ▲1,000円 |
イチキュッパ割(1年間) | ▲1,000円 | ▲1,000円 | ▲1,000円 |
端末購入アシスト加算料(2年間) | 700円 | 700円 | 700円 |
マンスリー割(2年間) | ▲700円 | ▲700円 | ▲700円 |
月額料金 | 1,980円 | 2,980円 | 4,980円 |
以上のように、少し分かりづらい料金体系になっています。これは個々人の契約内容によって変わってくる可能性がありあくまで一例です。実際に契約する際には料金が異なる可能性があります。
「スマトク割」は2年間で割引が終了してしまいますが、その後も契約を更新すると「長期利用割引」という名目に変わり月々1000円の割引が行われます。
「端末購入アシスト」は契約する際にスマホによって月々の割賦金額が異なりますが、その一例として700円としています。それに対して「マンスリー割」は機種の代金を機種によっては割引をしてもらえるサービスです。
ですが、この機種代金とそれに伴う割引サービスは機種によってかなりのばらつきがあるため一概には言えないようです。一般的には「人気の機種は高く、型落ち気味の機種は安めに」設定されているようです。
そして注意していただきたいのが、「イチキュッパ割」の部分です。「1年間」と買いてありますよね。つまりイチキュッパ割は契約から13ヶ月目には終了してしまいます。つまり契約から1年で利用料金が+1000円になってしまうことに注意しなければなりません。
2−3,「データ無制限プラン」に注意
「データS、M、L」以外でご紹介した「データ無制限プラン」は聞こえが非常に良いですが、何点か留意するべき事があります。
まずは、データの送受信速度が最大500kbpsである事です。実際にこの速度が出ればYouTubeの動画視聴なども可能ですが、「快適かどうか」と言われると疑問があります。通信が安定しているUQモバイルとは言われていますが、どのような状況でも最大値で通信ができるとは考えづらいため少し遅めの通信であることは覚悟しておいた方が良いかもしれません。
そして「データ無制限プラン」とはいえ通信制限はあります。前日までの直近3日間で6GB以上の通信を行うと、通信速度が通常の半分程度になります。ですが500kbpsでの通信で3日間に6GBの通信を行うのは至難の技なので、あまり気にしなくてよいかもしれません。
2-4, 2年間契約後、使用できるデータ通信量が少なくなる
こちらも要注意ポイントです。公式サイトで「プランS、M、L」の表を見ると小さく書いてあるのですが、契約から26ヶ月目以降は高速通信量が半分になってしまいます。同じタイミングで通話プランの「ぴったりプラン」を契約している場合も、無料通話量が半分になってしまいます。
この「プランS、M、L」自体が最近できた料金体系であるため今後内容が変更される可能性はありますが、2年契約終了のタイミングで何か手を打った方が良いかもしれません。
3,MNPの手順
こちらではUQモバイルへMNPする際の手順をまとめます。実店舗とホームページどちらからでも手続きができますが、今回は自分で作業する事が多いオンラインショップからの手続きの手順を中心に行います。途中の手続きまでは実店舗でのMNPでも自分で行う必要があるため、参考にしてください。
3−1,事前に準備するもの
UQモバイルを契約する際に必要なのは、「身分証明書」「クレジットカード情報」「MNP予約番号」の3点です。身分証明書は運転免許証、パスポートなど顔写真付きの書類があると確実です。
UQモバイルはオンラインで申し込む際は支払いに使えるのはクレジットカードのみとなります。また、この他にパソコンのメールアドレスも必要となるため用意しておきましょう。
3−2,MNP予約番号
現在利用しているスマホの番号を引き続き利用したい場合はこの「MNP予約番号」を発行する必要があります。現在契約している会社によって手順は異なりますが、基本的にはショップに来店するか、電話での問い合わせの2つの方法があります。
電話の場合は下記の電話番号へ連絡し、音声ガイダンスに従って「MNP予約番号」を取得しましょう。
MNP予約受付番号 | ||
携帯から | 固定電話から | |
Docomo | 151 | 0120-800-000 |
au | 0077-75470 | |
Softbank | *5533 | 0800-100-5553 |
店で番号を取得することも可能ですが、週末は店内が混み合っている事が多いため2時間程度待たされることもよくあります。また現在の会社に引き留めるために条件の良さそうなプロモーションをされる可能性もあり、少々面倒なこともあるので、電話での手続きをお勧めします。
電話の場合は受付時間が9時から20時となっていますのでその間に忘れずにかけましょう。また、このMNP予約番号には2週間の有効期限があります。通常はこの期間内に機種変更すれば問題ないのですが、UQモバイルのオンラインで機種変更する際にはこの有効期限が10日以上残っている必要があります。
オンラインで申し込みをするので手続きが混み合っていた際に間に合わなくなってしまうことを防ぐための対策であると思われます。 「有効期限が足りなくなったら再発行すれば良い」と考えるかもしれませんが、この番号は「使おうが使うまいが」発行した時点で事務手数料が2~3000円かかります。
つまり使わずに期限が切れてしまって再発行した場合この倍額かかることになりますので、番号取得後は早めにMNPの手続きを行いましょう。
3−3,その後の手順
必要なものを揃える所までは実店舗で購入する際も必要な事です。オンライショップで購入する場合は、ここから公式サイトから購入手続きに入ります。
自分の欲しい機種を選び、月額プランを選択して、画面に従って必要事項を記入して購入します。最短で翌日には届くようです。機種を選んで購入するのではなく、SIMカードのみを購入する際には3つの種類があります。
マルチSIMの場合はどのサイズにも対応しているため問題ありませんが「LTE用」のSIMを購入しなければならない際には、必ず自分の端末に対応しているサイズのものを購入するようにしましょう。
公式サイトで「動作確認端末」を公開しているので参考にしてみてください。無事商品が届いたら、SIMカードをセットして、APNの設定を行いましょう。同梱の紙で説明されていると思いますが、こちらで詳しく説明されているので参考にしてみてください。
http://navi.uqwimax.jp/detail/answer/c/93003/co/19696
3−4,MNPにかかる費用
MNPに必要な手順は以上ですが、これを行う際に所々で手数料などが発生します。それを下記の通り一覧にしてみました。
MNP予約番号発行手数料 | 3,000円 |
UQモバイル新規契約手数料 | 3,000円(稀にキャンペーン0円あり) |
前の会社の解約手数料 | 9,800円 |
前の会社の最終月の使用料金 | 7,000円 |
UQモバイルの初月使用料金 | 1,980円 |
あくまで一例ですが、米印の部分は必ずかかる代金、以下はそれぞれの条件によって異なります。また前の会社でスマホを分割購入し、まだ払い終わってない場合はその支払いがまとめてきます。UQモバイルで契約する際もスマホの一括購入と分割購入が選べるようになっているため、場合によっては初月の料金が高額になることもあります。意外と最初はお金がかかりますので、計画的にMNPを行いましょう。
4,まとめ
今回はUQモバイルのメリット、デメリット、MNPの手順についてご紹介しました。まだ進化の途中のUQモバイルといったイメージが強く、これからどんどん変化していく事が考えられる会社です。
料金は他の格安スマホと比べで「格段に安い」という訳ではありませんが、通信が非常に安定していることで定評があります。
現在のスマホの料金に不満のある方、今の格安スマホの通信品質に不満な方など是非一度検討してみてください。